ワー

7/9

雑記

聴けない時期

最近いわゆる「ボカロ曲」が聴けない。流行りの「ヴァンパイア」なんかも開いたところで数秒で無理になってしまうし、ちょっと昔の曲でもつらい。ボカロ歌唱ではないがヨルシカとかYOASOBIさえもキツい。どうしたことだろう?
特定のジャンルが聴けなくなるということは度々あるが、だいたいそのうち勝手に治る。今回もそのたぐいのものではないかと思ってはいるのだが、やはり「若者文化から離れていく」みたいな危惧が拭えない。1ジャンルだけならまだいいが、こういう風にだんだん興味を持っていたものがある日突然削げ落ちていって、最終的に”無”になってしまうと思うと空恐ろしいものがある。これが老いですか? たすけて~

ジンジャーエール

雨降りの朝だったのでジンジャーエールを作った。プライムデーで買った大量の炭酸水と、安かったのでなんとなく買った大量の生姜を役立てたかったのである。
レシピはもちろん(?)「くるりジンジャーエール」だ。

www.nhk.or.jp

よくわからない企画のレシピである。岸田繁ジンジャーエールをちまちま作って飲んでいたわけではないと思う。
そんな企画への疑念は関係なく、出来上がったレシピはちゃんとおいしかった。すりおろされた生姜がそのまま入っているのも食感があって楽しい。
若干辛さが物足りない感じになったので、次回は唐辛子を増やしたい。山椒なんかを入れてみても楽しいかもしれない。

よかったもの

www.vice.com

note.com

出典わからないけどいいシーンだな~

MASS OF THE FERMENTING DREGS - MASS OF THE FERMENTING DREGS

open.spotify.com

名盤。サブスク解禁ということで久々に聴いた。音量を上げれば上げるほど良いバンド。

たろおみ - たろおみの登校

soundcloud.com

SoundCloudで聴いていた上の曲が収録されているということで、歌を担当したホノベミナミさんがRTしていたので聴いた。
漂う郷愁と寂しさが良い。ベッドルームポップの良さが詰まっている。過去の名盤を掘り返すのもいいけど、SoundCloudとかまた掘りたい気持ちもあるわね……

7/8

雑記

短歌

これだけ歌集読んでるんだからそろそろ実作してみないとFAKEだろ&二次創作短歌やってみたいねという思いからシャニマス短歌に手を出し始めた。しかしこれが全くうまいこといかない。どう頑張っても凡庸なただの31文字の散文になってしまうのだ。先人は偉大であり、理想と現実のギャップは大きい。あるいは(何事に対しても)目標が高すぎるのかもしれない。
短歌の手法のひとつとして、「二物衝撃」というものがある。全く関係のなさそうなふたつの物を登場させることによって、その飛躍のなかに詩的な広がりをもたせようという技法である。下のNHK高校講座の資料がわかりやすい(こんなものがネットに上がっているのはかなりありがたい)。

https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/kokuhyou/archive/2018_kokuhyou_19.pdf

二物衝撃はスタンダードな手法である一方で、多くの批判も寄せられてきた。その中で最もインパクトが大きかったのは、歌人「星野しずる」の登場だろう。彼(女?)の投げかけた問題提起は、下にわかりやすくまとまっている。

tripoli.hatenablog.com

要するにプログラムによって適当な単語を持ち出して「二物衝撃」をやることで、その「詩的飛躍」の価値を問うたのだった。
この星野しずるは歌人枡野浩一氏によって第七回枡野浩一短歌賞を贈られているが、その時のコメントは以下のブログに載っている。

masuno-tanka.cocolog-nifty.com

正岡豊や早坂類に及ばない、
半端なきらめきを放つ偽物の宝石のような短歌は、
この作品の存在によって今後いっそうレゾンデトールを
揺るがされることになるのではないでしょうか?

読み手の想像力に頼るだけでも、ある程度の詩的飛躍をもった短歌はできてしまう。ではそれ以上のものを生み出すためには、何をすればよいだろうか? と常に問い続ける緊張感をもってやっていく必要がある。
……結局単なる「二物衝撃」についての議論紹介になってしまったが、要するに短歌が全然うまくいかんという日記でした。そもそも普通の短歌も作ったことない人が二次創作短歌をやろうとするのがおかしいのだが……まずは一次創作からやるかなあ。毎日パソコンカタカタしてるだけでも何かしらネタはある、ということは先人が証明してるし。とりあえず数作ってステップアップしていくしかないんだろうなあ。以下は好きなパソコンカタカタ短歌3首です。

あかねさすGoogle Earthに一切の夜なき世界を巡りて飽かず   光森裕樹
#DIV/0! 無数に浮かぶ数がみな裁きの時を待つ未明にも    中澤系
僕だけがインターネットの亡霊で他のみんなは居酒屋にいる  宇野なずき

よかったもの

note.com

うれしい。

ShibayanRecords - RETRO FUTURE GIRLS

booth.pm

各種サブスクでも聴ける。
上のツイートを見てふと聴きたくなったので再聴。やっぱりめちゃくちゃいい……
ShibayanRecordsは一昨年大バズりしたOMAE WA MOUの元ネタとして有名?になってしまったのだが、ああいうボサノバだけではなく歌モノからエレクトロからいろいろやっているサークル。中でも女性ボーカルが乗ったトランス系の曲が一番好みで、このアルバムはそういう曲が詰まっているので愛聴している。
切ない歌メロと浮遊感のある反復が美しい「Desert Years」が白眉。

АукцЫон - Птица

open.spotify.com

サンクトペテルブルクで結成されたバンドらしい。
民族的なメロディにキレのよい変拍子、かなり妖しげなカッコよさがある。ブラスとキーボードが良い。

斉木久美子『かげきしょうじょ!!』11巻

毎回本当に良くてビビる。
演劇は一人で作るものではない。思いをともにするメンバーが続々集まってくる展開はかなりワクワクする。しかし共演者と息を合わせて演じなければならないことは窮屈でもあり、思ったよりも決まり事は多い。その中でいかに自分を出していくか?
相変わらずスピンオフが良すぎる。今回は喰らわないぞと思っていたのにラスト1pでダメだった。畳み方がうますぎ。畳とかけたわけではない。

7/7

雑記

ティガと90年代

先日オタクと喋っていたら、最新のウルトラマンウルトラマンティガの再構築であることを知らされて衝撃を受けた。当時ウルトラマンティガを見ていた世代が親になったので、親子一緒に楽しめる、というわけだ。
ティガといえばぼくが当時一番好きだったウルトラマンだ。先日「樹里さんのことを「ジュリ」と書かれるとキリエロイドの鳴き声を思い出す」みたいなせんでもいい言及もしたばかり。一般的にはもうそういう立ち位置の歳になってしまったのか……と震え上がったのだが、改めてウルトラマンティガの放映時期を見てみるとはたと気付く。

ja.wikipedia.org

思ったよりだいぶ古いのである。つまり、放送時期的にぼくはウルトラマンティガをリアルタイムで見ているはずがないのだ。しかしティガには強い思い入れがある。それは何故か? たぶん、ビデオか何かでちゃんと見たのだろう。
時折見ていた仮面ライダーや戦隊ヒーロー、プリキュアなどで世代トークが盛り上がることがあるが、「世代」の自己認識なんて案外あてにならないということがよくわかった。

ティガといえば、印象的なのはその主題歌。V6の歌う「Take Me Higher」はウルトラマン屈指の名曲として今も名前が挙がる。なんと去年に公式から動画が出ているので、YouTubeでも聴くことができる。

youtu.be

この曲は数年前にも少々話題になった。なぜかというと、DA PUMPの「USA」を聴いてこれを思い出した人が多かったからだ。

youtu.be

当時は意識しなかったのだが、確かにTake Me HigherもUSAと同じくポップ寄りのユーロビートである。それもそのはず、Take Me Higherの作曲者はユーロビートの大家・Dave Rodgersなのだ。今まで熱い歌謡曲が定番だったウルトラマンの主題歌を、話題のアイドルと幅広い層に訴求するユーロビートに切り替えるのは、大きな決断だったろう。この主題歌に象徴される新しさ、そしてダークSFチックな(なんと星雲賞まで受賞している!)ストーリーによって、ウルトラマンティガは印象に残る作品となった。ぼくが強く覚えていたのも、そういった空気を感じ取ったからかもしれない。
V6とDave Rodgersの関係はその後も続き、いくつかの楽曲を提供されている。その後V6は「学校へ行こう!」を成功させ、Dave Rodgersは「頭文字D」でユーロビート人気を再燃させた。そのうちの一曲、「Deja Vu」は2010年代後半から海外を中心にミームと化している。

youtu.be

youtu.be

ちなみに、Dave Rodgersはその後Take Me Higherをセルフカバーしており、こちらのほうがよりユーロビート色がハッキリと出ている。

youtu.be

よかったもの

rollingstonejapan.com black midi東京公演のチケットを間違えて2枚買ってしまった。誰か行きませんか?

RAW Summer Hits II | Special Edits

rawppl.bandcamp.com

ちょうど今ほしかった音!

時速36km - まだ俺になる前の俺に

youtu.be

あんまりピンと来なかった。どこも振り切れてない印象。

筋トレ

レッグプレス 100 * 10 * 1, 165 * 15 * 3
レッグカール 62.5 * 10 * 1, 60 * 10 * 2
レッグエクステンション 62.5 * 10 * 3
脚の日は追い込みすぎると帰れなくなるので塩梅が難しい。もうちょっとハムに効く種目をやりたい。ブルガリアンスクワットとかか?

7/6

雑記

文化資本

関東に越してきたのは、カルチャーが東京に一極集中されている現状に負けてしまったからでもあった。
地元はもうひどいものである。市内に本屋は一軒もない(数年前にできたけど潰れてしまった)、当然美術館や映画館もない、CDショップはおろかレンタルショップも隣町にしかなく、唯一あったビデオショップはとうの昔に朽ちている。観たい映画は車を飛ばして1時間、悪くすれば高速で2時間走ったところでしか公開されていない。先日地元の友達と遊んだら「お前本読むの?頭ええなあ」と言われて愕然としてしまった。そういう文化圏である。
一方、東京には全てがあった。帰り道に駅前の本屋に寄れば話題の新刊が手に入るし、東海圏では名古屋でしか上映されていないような映画も山手線内では数駅おきに上映されている。デカいタワレコやオシャレな蔦屋があり、taknalを起動すれば数十人が本を勧めてくれる。話題になるイベントなんかも特に予定を立てず適当に行ける。とんでもない環境だ。大阪にいた時ですらこうはいかなかった(特に美術館やイベントの選択肢などは段違いだ)。
しかし、何もないからこそ限られた体験が印象に残っているということもある。小学生のとき初めて岐阜県美術館に行き、ワークショップを受けたときのことを、ぼくは未だに覚えている。その回では美術鑑賞の一環として、木炭を使って絵の模写を行ったのだった。講師となる学芸員が言う。「では机の上にある絵のなかから、好きなものを選んで描いてみましょう!」同じテーブルの仲間がいっせいにハガキ大の紙に手を伸ばす。しかしその見本となる絵を引き寄せて見た瞬間、幼いぼくは凍りついた。その絵があまりにも不気味だったからだ。岐阜県美術館はオディロン・ルドンのコレクションを売りにしており、題材となった絵もルドンの作だったのである。

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「『エドガー・ポーに』 Ⅰ. 眼は奇妙な気球のように無限に向かう」、1882年、岐阜県美術館蔵
怯えつつもなんとか模写は完成させたが、慣れない画材に手も紙も汚れてしまい、全く納得行く出来にはならなかった覚えがある。とはいえ、未だにルドンに対してはなにか親しみのようなものを抱いてしまうのだから、貴重な体験だった。こういう経験ができると思えば、何もない田舎で暮らすことも悪くは……
悪い。田舎はカス。一生選択肢の多い都会で生活したいです。

よかったもの

rollingstonejapan.com

hito-horobe.net

やってみたいけど流石に情報開示が足りない気がする。

tree-novel.com

劇場版レヴュースタァライトを観た。今年最高の映画が決まってしまったかと思って怯えている。みんなは誰が好きかな? 私は花柳香子!

そうでしょうね……

こうして「斜線堂有紀は恋愛小説も書ける」と思ってもらえたのが嬉しい。これも沢山読んでくださった読者の皆さんのおかげだと思う。

いわゆる「恋愛小説」としてあの作品を読んでいる人がどれだけいるのだろうか。恋愛を題材にしているので恋愛小説には違いないのだが……にしても……

Popol vuh - Hosianna Mantra

雨が降っているとアンビエント寄りのが聴きたくなる。

SUSHIBOYS - 死んだら骨

youtu.be

悪くはなかったが、次作のような攻撃的なビートアプローチはない。リリックは相変わらずいい。「SANAGI」の羽化に失敗したという発想には胸を衝かれた。

7/5

雑記

左右

今日は一日中カップリングの左右に関する話がTLを流れていったりいかなかったりしていたが、こういう話題を見るたびに不思議に思う。なぜ左右にそこまでしてこだわるのだろう?
セックスのタチネコの話だというのなら、それは個々人の嗜好でしかないので理解できる。本編で明確にタチネコが描かれることは絶対にないからだ。しかしそれを普段の人間関係にまで敷衍して、さもキャラクター同士で常に役割が固定されているかのような趣旨を声高に叫ぶのはどういうことだろうか。
「このキャラクターには常に優位に立っていてほしい」「このキャラクターは常に支配されていてほしい」などという欲望は、結局のところステレオタイプ性役割の押しつけであり、家父長制の再生産を行おうとしているに過ぎないのではないのか。同性愛を扱っているのに、いや同性愛異性愛に関わらず、人間関係のなかに無自覚にそういった支配-被支配をあてはめるのは危険ではないのか。この手の話題を見るたびに毎回こういったことを考えてしまう。
そもそも、関係のなかでの人間の振る舞いは状況によって変わるものなのだから、左右を頭から固定するのは単なる思考放棄ではないのか。「常にこのキャラが攻めっぽい振る舞いをして、このキャラが受けっぽい振る舞いをする」と決めてかかった末に生まれるのは、自分の中の「攻め振る舞い集」「受け振る舞い集」を組み合わせただけのハンコ作品だろう。せっかく原作を読んで感銘を受けたから二次創作に着手したんだろうに、一生手癖で自己完結するお人形劇してて楽しいのか?
だんだんシンプルな罵倒になってきたのでこのへんでやめておく。Twitterではたまにあげる小説を多くの人に読んでほしいのでできるだけ角が立つ発言はしたくないが(本当に角が立つ発言をしていないかな?)、ブログはどうせ2~3人しか見ないので好き勝手言っていきたい。愚痴を言う相手もいないので……

よかったもの

alu.jp

anond.hatelabo.jp

毎年人が死んでた地元の川ではもしかしてたまにこういう事例もあったんだろうか。

SUSHI BOYS - SUSHIBOYSの騒音集 VOL.1

linkco.re

ビックリするほど良かった。気が抜けているだけのグループだと勝手に思っていたが全然そんなことはなく、一曲目からぶちのめされてしまう。傑作。27分だし(短いアルバムが好き)(ポンポさん)

筋トレ

ベンチプレス 60 * 7 * 1, 80 * 5 * 1, 80 * 4 * 1, 80 * 2 * 1, 60 * 7 * 1
ケーブルクロスオーバー 13.75 * 7 * 3
ケーブルプルダウン 18.75 * 10 * オールアウトまで
ベンチプレスのセット数を増やしてみた。3回目の80キロは3回目を挙げられずに潰れた。悲しすぎ

7/4

雑記

同人誌への憧れ

二次創作小説を書き始めたのなら一度は個人誌を出さないとfakeだろ、みたいな気持ちはあるものの、表紙組版装丁部数等々知らないことが多すぎるし、まず「自分でも読み返せないようなものを物理媒体に残していいのかよ」という思いが大きい。自信を持って読み返せるものを書けるようになったら本を出してもいいかな……と思う一方で、そんな日が来るのか? という疑問もある。本の形式でないとできないことはたくさんあるので、いずれは出してみたいが……その前にどんどん書くことですよね。最近日記しか書いてない。やります。

試験

受かってるだろうな~と思いながら照会した試験が受かっていた。よかった。

よかったもの

note.com

youtu.be

うれしい~ ギターやベースを固定して弾くの、やりづらくないんだろうか?

BORIS - Akuma No Uta

boris.bandcamp.com

知らない内にサブスクで聴けるようになっていた。ジャケがもろニック・ドレイク

阿波野巧也『ビギナーズラック』

超よかった……事前に作者による「口語の単調さ」についてのnoteを読んでいたせいもあるが、かなり多彩なリズムで飽きずに読めたように思う。平板な口調ながら構造に関しては強い意識があるというのが、この歌集の印象だった。素人ながらに。
その上で個人的に感銘を受けたのは、一首のなかに「わたし」の認識の移動があること。人物が動いていくというよりはカメラが動いていくように、認識が切り替わる瞬間が鮮やかに表現されている。例えば次のような歌だ。

まぶしいものに近づいてみる近づいて舗道の上に柿はひしゃげる

また、自身の認識が論理によって上書きされる無意識の、その一瞬を狙いすましたような歌も気持ちいい。

父親とラッパの写真 父親は若くなりラッパを吹いている

作者は京都での大学生活について多くをうたっているが、生活圏がかなり大学生のころの自分とかぶっているので(なんなら時期もかぶっている)その点でもおもしろい。わかるわかる~という。

上終町(かみはてちょう)という名の町で降りたけどそうでもなくて歩いて帰る
夕暮れはぼくの中までおとずれて郵便局を閉ざしていった
とんかつがパフェに刺さっているものは二十一世紀の味がする

「北白川仕伏町(上終町・京都造形芸大) 行き」のワクワク感は異常。もう近場の郵便局は閉まった、高野の郵便局まで行かないと間に合わねえ……というタイミングは何度かあったけど一度も動けたことはない(その時点で心の中の郵便局は閉じる)。からふね屋のとんかつパフェは話のネタにはしたものの結局食べることはなかった。懐かしい。
あとがきによると、ぼくが友達とレッチリの話をしたミスドも、フランス書院文庫が異常に充実していたコミックショックも既に閉店してしまったらしい。町並みがどんどん変わっていくなかで、一瞬の感情を切り取った短歌は貴重なスナップショットになってくれるはずだ。それが他人のものだとしても。

7/3

雑記

王の来日

King Crimsonの来日公演が決まった。初めて来日公演を観た2015年には「こんなチャンス二度とない」と思ったし、2018年には「年齢的にこれが最後かもしれない」と思ったものだが、妻と元気にはしゃぎまわって動画を上げているフリップ御大を見ると「まだ数回は来そうだな」と思える。元気でいてほしい。
2015年の来日公演のときは大阪のフェスティバルホールに行った。クラシック寄りのコンサートで訪れたことのある会場だったが、入るなり全く空気が違うのがわかった。客層が違うのである。ネット上で散々愛をこめて、あるいは怒りをこめて揶揄されてきた「プログレおじさん」がそこかしこでプログレトークに花を咲かせ、全然関係ないバンドの話で盛り上がっている。どこを見渡しても、客層は明らかに50代以上。自分より若い客どころか、20代・30代らしき姿すら見つけられない。「プログレなんておっさんしか聴かない」というネットの揶揄は本当だったんだ、とこのとき初めて実感した。
しかしそんな場違い感も、演奏が始まったら吹き飛んでしまう。その演奏のワクワクさせられたことといったら! 既に平均年齢70歳近い超高齢バンドだが、プログレッシブな姿勢は一切失われていなかった。熱狂のなか、公演は最後の曲を迎える。照明が落ち、静けさが会場を満たすと、メロトロンに静かに指が置かれ、あのイントロが流れ始める――

youtu.be

「Starlessだ!」そう思って目を見開いたのと同時に、隣の席から呻き声が上がった。「それはズルいだろ……!」
見ると、50代ほどのおっさんが涙を、明らかに涙を流してイントロを聴いているのだった。少なからずぎょっとしたものの、一方で感動してもいた。人生のなかで、イントロを聴くだけで涙できる曲を一曲でも持てる人が、どれだけいるだろうか? そう思うと、おっさんの涙も輝いて見える。Starlessの演奏は、文句なしに素晴らしかった。
やはり今思い返してみても、おっさんがライブ会場で泣けるというのは素晴らしいことだと思うし、いずれはそうありたいものだとも思う。最近は加齢のせいか涙もろくなってきているし、多分次の来日公演でStarlessを聴いたら、泣きはしないまでも涙ぐむくらいのところまではいくだろう。このままいけば、いずれは立派なプログレおじさんに……いや、プログレおじさんにはなりたくないな。せめて音楽好きのおっさんくらいに留まりたい。

よかったもの

gendai.ismedia.jp

スケールがデカい。

竹田人造『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』

今週いっぱいで読もうかな~と思って開いたのに、一気に読み終わってしまった。嬉しい誤算。
まさにハリウッド映画ばりの単純明快かつ王道の脚本に、悪く言えばありがちで良く言えばつかみやすいキャラクター、そして現代と地続きのSF描写とどこを切り取ってもエンタメなクライムサスペンス。作者はおそらくエンジニアなのだろう、人工知能に関しては技術的な話がポンポン出てくるが、それもスムーズな読み味を妨げてはいないように感じる。原題の「電子の泥船に金貨を積んで」から出版にあたって改題されたことで話題になった作品だが、この内容なら改題後のほうがしっくりくるだろう(「マニュアル」要素はどこにもないが……)

ワンダーエッグ・プライオリティ特別編

2021冬アニメの実質的な最終話。放送期間では結局話を畳みきれずに終わり、6/29に特別編が公開されたのだが……これも超駆け足! 「まあ結局こういう話なんスよ、じゃ終わりってコトで」と突き放された気分。
ギラギラした冒険の日々から醒めた4人は、各々あるいはあっさりと、あるいは泣きながら現実と折り合いをつけていく。その過程で、永遠であるかと思えた友情もサイダーの泡のように消えてしまう。一度醒めてしまったからには、あの死と隣り合わせの全能感にはもう戻れないからだ……しかし主人公は、結局そこへ戻っていく。そして「復活!」と笑うのだった。
放映時最終回に比べればまだ最終回感はあるが、結局片付いていない話が多すぎるし、主人公は結局大人たちの搾取を受け入れ、命を削った現実逃避へと走る格好になってしまった。それが肯定的に描かれているのか、グロテスクに描かれているのか、作り手の意図が全くわからないのが怖い。ただ「そういうもの」として描いているにしてはカメラ目線が過ぎるし……何……?
感想をぼんやり漁っていたら「広げられた風呂敷の柄を楽しむアニメだった」というツイートが出てきた。いい表現だと思う。畳み方がひどくても、風呂敷の柄は間違いなく綺麗だったことを忘れずにいたい。

筋トレ

ハーフデッドリフト 60 * 7 * 1, 120 * 10 * 1, 140 * 7 * 2
ベントオーバーロー 50 * 10 * 3
ラットプルダウン 45 * 10 * 3
マシンアームカール 35 * 10 * オールアウトまで
フィル・ヒースの背中の画像を見たことでベントオーバーロー時の僧帽筋がより意識できた気がする。マッチョは見たほうが良い。