ワー

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雑記

メガネ

新しいメガネを買った。今のメガネは買ってから5年が経過しても未だ見た目通りの堅牢さを維持してくれており、見え方にも特に不満はなかったのだが、見た目があまり気に入らなくなってきたので買い換えることにした。複数本を使い分けてもいいのだが、まあ多分新しいメガネを入手したら今のはどうでもよくなるだろう。未だに「メガネは壊れるまで使うもの」という幼少のころの観念を固持しているので、買い換えにあたっては誰に宛てるでもない罪悪感を抱いてしまう。が、コンタクトレンズも持っていない人間の、一本しか持っていない眼鏡が壊れるということは、入手までの間しばらくは生活が困難になるという危険を伴う、いわばタイマー式の爆弾を持ち歩いているようなものなので、壊れないうちにもう一本入手しておくのは合理的な行動ではないだろうか。そう思うことで自分を納得させている。
ちょっと気合を入れて高級な眼鏡店に行ったのだが、かなり内装に気が遣われていて驚いた。どんなジャンルでも高級店は、購入そのものを価値ある体験にしようと努力しているように感じられる。しかし眼鏡店の場合、試着や検眼など多くの時間は眼鏡を外すことになるので、手の込んだ内装もサービスもうすぼんやりとしか把握できない。なんとなくリッチそうな間接照明の中、なんとなくリッチそうな店員から話を聞いて帰宅することになった。実物は来週末引き取れるようになるらしい。
買った眼鏡は、舐達麻のDELTA9KIDと同じモデルだった。手にするまでは全然意識していなかったのだが、見かけた途端「あ、これDELTA9KIDのやつじゃん!」とテンションが上がったことは否定できない。顔がオタクなのでDELTA9KIDのようなイカツさは出ないが、少なくとも眼鏡を買うだけでオドオドと自分に言い訳しなければならないような繊細さはなくしたいものである。たかだかタイマー。ガタガタ抜かすな。

よかったもの

映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

まず劇場でΞとペーネロペーの戦闘が見られるというだけで感無量だ。かつては映像化もキット化も不可能だと言われていた複雑なデザインの二機だが、今では劇場アニメにもなっているしプラモデルにもなっている。技術の進歩もすごいし、企画を実現させる判断もすごい。
よくTwitterで話題になっている部分ではあるが、やはり市街戦がよかった。町中で暴れまわる10m超の機体から生身で逃げることは、ロボットアニメの主人公目線で見るよりずっと恐ろしいことだ。ちょっと触れただけで崩れる家々、バーニアの熱で焼ける木々、流れ弾で溶ける鉄……パイロット目線では気付けない脅威がそこにはある。
原作を読んだのは中学生の頃なので全然覚えてないが、ハサウェイってこんなにシュン……としてたっけ? エゲツないことやってても身内には甘くて弱みも見せちゃう指導者がウケるってのはどこも一緒よね……

小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』

半分くらい読んだ。思ったよりもジェンダーSFをやっているというか、ジェンダー不平等の問題を扱っていて驚いた。内面化されていた不平等を気付かせ、ケアするシーンがあったりするのはかなりうれしい。しかし筆致は良くも悪くもライトノベル的で、少々いたたまれなさがあったりもする。
「主人公側が攻撃的かつ一方的にまくしたてて、相手側はそれにタジタジ」というような類型がキツく思えてしまうのは、論理だけでは通らない相互理解の難しさを無視しているように思えるからだろうか。いくら科学的な裏付けがあり、理が通っている説得を行ったとしても、それが納得と転向につながらないのはQアノンや地球平面説の隆盛を見ていても明らかだろう。論理の押しつけはさらなる溝を生むだけだ。むしろそういったストーリーに飛びつかざるを得なくなった背景に思いを致し、相手へのメリットを提示するべきではないのか……
とはいえ、抑圧された者たちの代弁者として怒りの声を上げることは支持に繋がるだろうし(まくしたて系フィクションが支持されるのはまさにこういう点からだろう)、怒らずに済むのは実際に抑圧されていない者の特権だと言われればそれもそうだろう。結局のところ、僕も閃ハサの運転手が言うように「暇なだけ」であることが負い目になっている。シュン……

Hiatus Kaiyote - Mood Valiant

youtu.be

メルボルンジャズシーンの代表格、久々のフルアルバム。飲酒してクネクネしながら聴いたので詳細はぼやけているが、前作のようなパキパキした表情の変化は少なくなりよりリラックスして聴ける印象。