ワー

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雑記

王の来日

King Crimsonの来日公演が決まった。初めて来日公演を観た2015年には「こんなチャンス二度とない」と思ったし、2018年には「年齢的にこれが最後かもしれない」と思ったものだが、妻と元気にはしゃぎまわって動画を上げているフリップ御大を見ると「まだ数回は来そうだな」と思える。元気でいてほしい。
2015年の来日公演のときは大阪のフェスティバルホールに行った。クラシック寄りのコンサートで訪れたことのある会場だったが、入るなり全く空気が違うのがわかった。客層が違うのである。ネット上で散々愛をこめて、あるいは怒りをこめて揶揄されてきた「プログレおじさん」がそこかしこでプログレトークに花を咲かせ、全然関係ないバンドの話で盛り上がっている。どこを見渡しても、客層は明らかに50代以上。自分より若い客どころか、20代・30代らしき姿すら見つけられない。「プログレなんておっさんしか聴かない」というネットの揶揄は本当だったんだ、とこのとき初めて実感した。
しかしそんな場違い感も、演奏が始まったら吹き飛んでしまう。その演奏のワクワクさせられたことといったら! 既に平均年齢70歳近い超高齢バンドだが、プログレッシブな姿勢は一切失われていなかった。熱狂のなか、公演は最後の曲を迎える。照明が落ち、静けさが会場を満たすと、メロトロンに静かに指が置かれ、あのイントロが流れ始める――

youtu.be

「Starlessだ!」そう思って目を見開いたのと同時に、隣の席から呻き声が上がった。「それはズルいだろ……!」
見ると、50代ほどのおっさんが涙を、明らかに涙を流してイントロを聴いているのだった。少なからずぎょっとしたものの、一方で感動してもいた。人生のなかで、イントロを聴くだけで涙できる曲を一曲でも持てる人が、どれだけいるだろうか? そう思うと、おっさんの涙も輝いて見える。Starlessの演奏は、文句なしに素晴らしかった。
やはり今思い返してみても、おっさんがライブ会場で泣けるというのは素晴らしいことだと思うし、いずれはそうありたいものだとも思う。最近は加齢のせいか涙もろくなってきているし、多分次の来日公演でStarlessを聴いたら、泣きはしないまでも涙ぐむくらいのところまではいくだろう。このままいけば、いずれは立派なプログレおじさんに……いや、プログレおじさんにはなりたくないな。せめて音楽好きのおっさんくらいに留まりたい。

よかったもの

gendai.ismedia.jp

スケールがデカい。

竹田人造『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』

今週いっぱいで読もうかな~と思って開いたのに、一気に読み終わってしまった。嬉しい誤算。
まさにハリウッド映画ばりの単純明快かつ王道の脚本に、悪く言えばありがちで良く言えばつかみやすいキャラクター、そして現代と地続きのSF描写とどこを切り取ってもエンタメなクライムサスペンス。作者はおそらくエンジニアなのだろう、人工知能に関しては技術的な話がポンポン出てくるが、それもスムーズな読み味を妨げてはいないように感じる。原題の「電子の泥船に金貨を積んで」から出版にあたって改題されたことで話題になった作品だが、この内容なら改題後のほうがしっくりくるだろう(「マニュアル」要素はどこにもないが……)

ワンダーエッグ・プライオリティ特別編

2021冬アニメの実質的な最終話。放送期間では結局話を畳みきれずに終わり、6/29に特別編が公開されたのだが……これも超駆け足! 「まあ結局こういう話なんスよ、じゃ終わりってコトで」と突き放された気分。
ギラギラした冒険の日々から醒めた4人は、各々あるいはあっさりと、あるいは泣きながら現実と折り合いをつけていく。その過程で、永遠であるかと思えた友情もサイダーの泡のように消えてしまう。一度醒めてしまったからには、あの死と隣り合わせの全能感にはもう戻れないからだ……しかし主人公は、結局そこへ戻っていく。そして「復活!」と笑うのだった。
放映時最終回に比べればまだ最終回感はあるが、結局片付いていない話が多すぎるし、主人公は結局大人たちの搾取を受け入れ、命を削った現実逃避へと走る格好になってしまった。それが肯定的に描かれているのか、グロテスクに描かれているのか、作り手の意図が全くわからないのが怖い。ただ「そういうもの」として描いているにしてはカメラ目線が過ぎるし……何……?
感想をぼんやり漁っていたら「広げられた風呂敷の柄を楽しむアニメだった」というツイートが出てきた。いい表現だと思う。畳み方がひどくても、風呂敷の柄は間違いなく綺麗だったことを忘れずにいたい。

筋トレ

ハーフデッドリフト 60 * 7 * 1, 120 * 10 * 1, 140 * 7 * 2
ベントオーバーロー 50 * 10 * 3
ラットプルダウン 45 * 10 * 3
マシンアームカール 35 * 10 * オールアウトまで
フィル・ヒースの背中の画像を見たことでベントオーバーロー時の僧帽筋がより意識できた気がする。マッチョは見たほうが良い。