ワー

8/8

雑記

魔王

ついに嗅覚が完全になくなった。何を嗅いでも匂いがわからない。味覚も怪しく、「甘い」「すっぱい」「苦い」みたいなめちゃくちゃ雑なくくりでしか味を捉えられない。普段食事で受け取る情報量が100だとしたら、たぶん今は5くらいしか受け取れていない。2要素が混じっている場合もどちらか強いほうが勝ってしまうので、低糖のアイスコーヒーと(気の抜けた)ジンジャーエールがほぼ同じ味に感じる。
もうこうなったら食事の楽しみもなにもあったものではない。何を食っても同じ味なら楽に食えるものを食いたくなってしまう。自治体からパックのご飯やレトルトのカレーなどの物資が到着したが、(ありがたいのはもちろんだが)正直なかなか食べる気にならない。
その上、集中力がなくなっており、本を読んでも全然内容が頭に入ってこない。長いこと文を読んでいると、いつの間にか一切の流れを忘れてしまう。気付いたら何の話をしているのかわからないままぼんやりと文を追っていたりする。
このように、健康なころは意識せずともできていたことが知らない内に次々と奪われていっている感じがある。『テニスの王子様』の幸村戦のようなイメージだ。実際に五感のうち嗅覚と味覚は奪われてるわけだし。
家から出られなくなったところで、積読は山ほどあるし……と思っていたが、まともに本も読むことができないとなると話が変わってくる。早く回復してほしいが、回復にはだいたい発症から7日ほどかかり、またそのあたりから重症化する人も増えるらしい。また、回復したところで味覚や嗅覚の異常は後遺症としてしばらく残ることもあるらしい。かなり厳しい状態である。コロナにはかかるべきではない。

病状

一時は平熱まで下がったが、夜にまた37.6℃まで上がった。鼻のツンとした痛みはいよいよ強まり、鼻汁も出るようになった。鼻の奥がウイルスに荒らされているのを強く感じる。

よかったもの

なるほどなあ

wbbl.bandcamp.com

週末限定でNYPらしい。

Fishmans - LONG SEASON

海外人気がやたら高いことで有名なアルバム。良かったが、やっぱり『空中キャンプ』の方が好みだな……

COALTAR OF THE DEEPERS - REVENGE OF THE VISITORS

94年の1st『THE VISITORS FROM DEEPSPACE』の再録盤。
1stの時よりも音圧があり、各楽器の輪郭がより立っている。かといって潰れてしまっている感じもなく、音としては1stよりこちらのほうが好み。特にドラムの迫力は段違い。

保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』

書きあぐねているというか書いてもいないが、半分くらい読んだ。
「こうすればうまくいく」というようなハウツー本ではない。とにかく「小説とはなにか」「自分の表現とはなにか」といった深部に立ち返って考え直すことの重要さが説かれている。これだけ世に小説が溢れているなかで、今、小説を書こうとするのはなぜか? そういったことを常に自分に問うていかなければならない。
かなりストイックな内容だが、ひとつの表現方法を選ぶ以上は「なぜそれを選ぶのか」という問いと向き合う必要があるのは当然の話だ。全体的にその拡張で話が進んでいっているように感じる。正直集中力も保たないし頭もボーッとするしで、ちゃんと読めている自信はまったくないのだが……

panpanya『魚図鑑』

まさか「カステラ風蒸しケーキ物語」がこんな大作になるなんて……
不条理ホラーっぽい味わいの短編がいくつかあって前作とはだいぶ読み味が違った。