ワー

9/20

雑記

注”目”なき通話

オタクと会って話した。彼も10月から東京を去ってしまうということで、気軽に会って何をするでもなく話せる友達がマジでいなくなってしまう。寂しすぎ!!!
いまや住む地域が全然違っても通話で簡単に繋がれる時代だが、通話が苦手なのでその恩恵を全然受けられていない気がする。やっぱり対面でないと、「自分の発言を聴いている人がいる」という実感が持てず、モニョモニョ……となってしまう。YouTuberには絶対なれないだろうな。

湾岸美琴ナイト

「最近湾岸ミッドナイトを読んでいるのだが、かなりアイドルものや宝塚ものっぽい」という話をした。すべてを投げうってしか立てないステージがあり、そこに辿り着くために世間の常識から外れていく。個人的にはそういう話がめちゃくちゃ好き。なので「レヴュースタァライト」のジェットエンジンのシーンや、「かげきしょうじょ!!」の文化祭後の煌三郎とさらさの会話などには痺れてしまった。
現在は緋田美琴さんに勝手に期待しており、そしてこれから勝手に裏切られていく予感がする。緋田美琴さんはどんどん平凡な時間の愛し方を知り、守るべきものを抱えていくような方向に進んでいるが、個人的には、求道者の足跡は、到達によって照らされてほしい気持ちがある。あるステージの――それは心から求めていたステージでもいいし、そうでない不意の瞬間でもいい――圧倒的な輝きが、これまでの道のりを遡及的に照らしていく、そういう瞬間が訪れてほしい。

19のときも そして40になった今でも
オレはずっととびきりの時を過ごしている
昔の仲間には成功してでかい工場の社長もいるし
この稼業からすっかり足を洗ったやつもいる
工場はツブしたし‥家族も去っていった
でもオレが一番幸せだッ
19のときからずうっと
今でもオレはスピードにとりつかれている
(『湾岸ミッドナイト』北見淳)

バラエティでのウケや女優としての演技力ではなく、「歌とかダンスとか……パフォーマンスでみんなに感動を与える」アイドルを目指す美琴さんの姿と、今どき誰も求めていない、扱いづらく壊れやすい最高速を出すためのエンジンを組み続ける北見の姿は重なるところがある。GT-Rを竜だと信じる平本、ロータリーエンジンにこだわるマサキ、みんなそうだ。
永遠に勝者なんかいねえ 降りるヤツと残るヤツ‥それだけだ(北見)

よかったもの

北村紗衣『批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く』

読み終わった。4章では筆者と指導学生によって行われた、実際に批評文を書く→それを相手が添削する、というコミュニティの活動が記録されている。これが結構おもしろい。同じ作品を題材にしても切り口が違うだけでまったく違う側面が立ち現れてくることがわかるし、批評の創造性を感じることができる。新書という短いフォーマットではあるけど、欲しいエッセンスが詰まった感じでかなり満足感があった。やっぱり、シャニマスのnoteを書く人におすすめです。

木村リノ『あじさいタウン』

nico.ms

バンドとマンガ、特にWebマンガが好きな人にはそこそこ有名(たぶん)な作品。Webマンガから始まり改稿を経てこの1巻が発売後、2巻が出ることなく更新終了。後に『あじさいタウン セッションズ』として新設定でスタート、別サイトに連載されるも、現在は1話と最終話、その前話しか読めない(単行本未発売)……というかなりボロボロな状態。それでも、未だに根強いファンがいる。
そういう経緯だけ知って気にはなっていたものの、Amazonを見ても新品の取り扱いがなく、じゃあいいか……と忘れかけていたところで今日たまたまCOMIC ZINで見かけたので即買ってしまった。曲がっているし小口は研磨されてるしちょっと汚れてるしで状態はよくなかったけど、こういうのはめぐり合わせだし……ネ!
よく「リアル」と評される漫画だが、バンドを組んだことがないのでリアルかどうかは全然わからない(悲しい)。けど、やりたい音楽があって、でも人が集まらなくて、いざ集まってもいきなりデカい箱でやれるわけもなくて……みたいな一歩一歩上がっていく感じがかなりアツい。そしてその歩みを駆動しているのは、常に音楽への思いと音楽をやる楽しさだ。それがハッキリと伝わってくるから、この漫画は何人もの心に刺さったんじゃないだろうか。
ちなみにこの漫画、なんと作中バンドの曲を聴くことができる。ニコニコにいくつか上がっている他に、CDもあるらしい(現在入手困難)。こういう形式、めっちゃいいですね。上に貼った曲が好きです。

博士、これは……?