ワー

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雑記

門前払い

勧められた映画「ベイビーわるきゅーれ」を見るために朝から池袋へ。けっこう遠いので普段はわざわざ行かない場所だが、現実的な距離にはこことあと一館しか上映館がないので背に腹は代えられない……
ということで上映15分前くらいに着いたが、どうも映画館の前に人だかりができている。あれ?入り口で看板見て見る映画決めるタイプの人達かな?と思って近づいてみると、どうやら一列に並んでいるようだ。それも結構な人数、50人くらいはいると見える。そして入り口から出てきた係員が叫ぶ、「ベイビーわるきゅーれ、残り15席です」……
下調べが足りていなかったのだが、なんと今日は舞台挨拶があったらしい。そして今日の上映はその回一回きりである。結局、チケットはぼくが並んで数分したところで売り切れ、列のメンツとそのまま無言で駅まで引き返すことになった。めったに来ないとはいえ(だからこそか)池袋に用事はないし、結局わざわざ遠くまで来て何もせず帰ることに……
まあこれも文化あればこそということでね、文化の日にはよかったんじゃないでしょうか。ハァ~

善意ベース

やりきれない気持ちだったので、ボンヤリと服を見ることにした。増量の結果去年まで着ていた服が全然入らなくなったので、服はいくら買っても足りない。
なんとなくメルカリを眺めていると、気になっていた服が定価の半額以下で出ている。画像を見る限り状態もよさそうだ。しかもどうやら値下げが可能とのことなので、コメントをして、専用品(メルカリには、コメントによって売約と同時に値下げをしてもらう風習がある)に設定してもらう……次の瞬間、もうその服は売り切れていた。専用品なのにだ。
意識したことはなかったが、確かに「○○様専用」という専用品設定はあくまで善意ベースで成り立っている仕組みでしかない。つまり、システム上は「○○様専用」と書いてあっても全然関係なく他の人が買うことは可能なのだ。しかも、調べてみると取引のキャンセルには出品者と落札者双方の同意が必要らしく、「専用品なんで……」と出品者が落札者をはたき落とすこともできない。そもそも、売れている以上出品者としては誰に売ろうがなんの問題もないわけだ。
とはいえ、こちらからしてみれば横取りされた形になるわけでいい気分ではない。ケチった挙げ句メルカリなんて無法地帯を利用する以上、しょうがないといえばしょうがないのだが…… ハァ~

よかったもの

omocoro.jp

C.O.S.A. - Friends & Me

タイトル通り様々な友達が参加した一枚。ビートもラップも錚々たるメンバーで、C.O.S.A.の人望が伺える。
リリックの内容はGhettoじみた日々のたつきと野望という感じなのだが、今年の4月に出たということもあって時折現れる”生存”寄りの言葉が重く響く。金を稼がなくてはいけない、そうでなければ生きていけない、というテーマ自体はありふれたものではあるのだが、時勢と真摯な言葉選びが独特のシリアスさを与えているように思う。

何よりいつも心から愛してる
Familyの無事を
Don't pray to god
生きてる今日も
(「Stay Gold feat. homarelanka」より)

鈴木大拙『禅』

半分弱読んだ。久々にメモを取りながら読んでいる。時間がかかるが、一方で明らかに整理がつくので楽しい。他の本でも面倒がらずにやるべきだったな……
禅の目指すところがスマートに解説されており、単純に読んでいるだけでもだいぶ面白い。なるほど、禅が論理的分析や知的処理の影響を受けないのはよくわかった。でもいざ個々のエピソードが出てくると、そのぶっ飛びっぷりに思わず笑ってしまう。

かれは、その師睦州に相見を許されるまでに、三たびその門を叩かなければならなかった。(中略)睦州はたずねた、「お前は誰か。」「文偃と申します」と僧は答えた(文偃がかれの名であって、雲門はのちにかれが住した僧院の名である)。求道の層が門内に入ることを許されるやいなや、師はその胸倉をつかんで、「言え、言え」と迫った。雲門は躊躇した。と見るや師は、「この役立たずめが」と言って、かれを門の外に突きだした。門が急に閉まったので、雲門の片脚ははさまれて折れた。明らかにこの激痛が、あわれな僧を人生の大事に目覚めさせた。かれはもはや、求めあぐねて、憐みを乞う僧ではなかった。こうして得た悟りは、失った隻脚を償ってあまりあるものであった。

そうはならんやろ。でも、これが禅で言う師からのカルナー(慈悲)のあらわれなのであって、結局師と弟子はWin-Winに落ち着いたのだから何も言うことはないのだ。