ワー

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雑記

寒さ

実家から帰ってきた。
肌の表面が凍るようだった実家に比べればこちらの寒さなどぼんやりしたものでしかないのだが、それでも部屋に腰を下ろしてしばらくしたら、耐えきれずにエアコンをつけてしまった。
一瞬のことならともかく、ずっと接するとなると寒さ暑さは相対的なものではない気がする。大学の頃、北海道から来た人が「こんな寒さ、北海道に比べたら……」と言っているのをよく聞いたが、問題はいま自分が晒されている温度に耐えられるかどうかであって、温度そのものはあまり重要ではないと思う。外気温4℃の隙間風吹く下宿と、外気温-5℃のしっかり断熱がされた一軒家を比較したところで意味はない。いま寒いと感じているかどうか、寒さの中において重要なことはそれだけしかないはずだ。ぼくはここよりずっと寒い土地で育ったはずだが、今普通に凍えている。

よかったもの

note.com

Katy Kirby - Cool Dry Place

youtu.be

またも2021年ベストアルバム頻出の一枚を聴いた。フォークの温かみと現代的なカットアップによる緊張感とグルーヴ感、呟くような詩情と爆発するような感情が違和感なく流れていく一枚。このあえて居心地良いままに留めない感・あえて過剰にした感は確かに2021年っぽい(またふわふわした感想を……)
かなり好きだけど、来年以降も聴くかと言われるとちょっとわからん感じ。歌モノはやっぱり掴まれる一節がないと何度も聴く気にならない。

【さよならごつこ】

めっっちゃよかった~~~……
あの【ロー・ポジション】の後のpSSRに何を持ってくるんだろう、というワクワクと緊張もどこへやら、普通に1コミュ目から持っていかれてしまった。朗読されるオノマトペに幕を開けたコミュは、「赤」と「青」といった頻出するモチーフの転回を見せつつ、ブラウン管的エフェクトと共に描かれる回想と現在の反復を通り抜け、最終的には未来を志向して着地する。
毎回ノルマのように反復される(反復それ自体が凛世さんのコミュにおける重要な特徴なので、実際ノルマではあるのかもしれない)モチーフをいかに変奏するか、それでいていかに全体を新鮮なものに見せるかというところで、凛世さんのシナリオはひとつのジャンルを開拓しているようにすら見える。シナリオへの没入はもちろん、そういったライターの技巧についても感嘆させられることしきり。
限定ということもあり、「別に思いっきり関係が変化するわけではないけどめちゃくちゃいいコミュ」という位置に収まってくれたのも嬉しいところ。

髪飾りのくだりでは、数年前に帰省しているとき、リビングの団欒を離れて一人で通話していたら、母から「あらあら……」みたいな反応をされたのを思い出した。母には申し訳ないが、その時の通話相手は暇を持て余していたアル中のオタクだった。妙な気を利かされなくて本当によかった。