ワー

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雑記

初音ミクになる

初谷むいという歌人の短歌が好きで、ハンドルネームもその歌集から取っている。表紙のタイトルを縦読みして、「花初そたい」である。実際は好きだからわざわざそこから取ったというより、たまたま机の上にあって目に入ったからだったのだが、ふと見たら机の上にあるということの意味は大きいだろう。

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初谷むいの短歌にはとにかく相聞歌が多い。それもずっと恋愛絶頂期の輝きをたたえており、ちょっと引いてしまうほどの猛進っぷりを誇っている相聞歌だ。

どこででも生きてはゆける地域のゴミ袋を買えば愛してるスペシャ
イルカがとぶイルカがおちる何も言ってないのにきみが「ん?」と振り向く

『はつなつみずうみ分光器』を読んでへえと思ったのは、初谷むいの比喩に対する指摘だった。

歌人は対象を歌うときに、しばしば比喩を使って相手のことを変身させる。(中略)初谷むいはその方法論を選択せず、つまり相手を変容させるのではなく、自分のかたちを変容させることで対象と、対象との間にあるものを歌うことを選んだ。愛のために相手を変えるのではなく、愛のために「あたし」が変わるのだ。

自身の変容は、以下のような歌によく現れている。

あたし死んだら文字になる困ったらあたしのかわりに言葉がゆくよ。
もういいよわたしが初音ミクでした睫毛で雪が水滴になる

後者は積極的な変容というよりは押し付けられたものを渋々、という感じなのだが、好きな一首。初音ミクという存在を押し付けられるというのはどういう状況なんだろう? きっと、名前か見た目か何かで初音ミクになぞらえられていじられたのだろう。そういうちょっとしたいさかいが一瞬で思い浮かぶ鮮やかさ、その原因が「初音ミク」というおかしさ、それでも「わたしが初音ミクでした」と言ってしまういじらしさ……そういうストレートな息遣いが感じられるのがこの歌人の好きなところだ。

初谷むいは小説も書いているが、そちらもかなり全力で恋愛に浸っていて好き。

monogatary.com

柿田と話していると、すべてを手に入れたような気になった。その声が、小さな頭の中に含まれる脳が考えた言葉があたしに向かう、その瞬間のために、あたしの生命エネルギーはひかりかがやいていた。

こんなん普通書かれへんよ。

よかったもの

Car Seat Headrest - Teens of Denial

youtu.be

良いことがわかりきっていたので逆に聴いていなかったが(?)、聴いてみたら予想通り、予想以上によかった。こういうの、こういうのなんだよな……

月岡恋鐘Landing Point

メンタルが強すぎる……恋鐘さんが「だってアイドルだから」の一点で全てを突破できるのは、信じることができるからなのだろう。「こうすれば絶対に良くなる」という強固な信念が恋鐘さんを、そしてアンティーカを引っ張っていく。他のメンバーに言われれば素直に軌道修正するが、着想から走り出すまでのスパンは誰よりも短い。あれこれ悩んで自家撞着に陥りがちなアンティーカのなかで、恋鐘さんの爆発力は最も輝くのだろう。
今回は彼女の努力が「月の裏側」になぞらえられたが、正直彼女の努力を見てきた気がしない。できないことをできるようにする過程が努力と言われるものだと思うが、彼女のシナリオでは「そ、それもできてしまうのか……」と終始圧倒されていることが多い気がする。プレイヤーでなく「シャニP」が月の裏側をわかっていればそれでいいっちゃそれでいいんだが……今のところぼくの頭の中には「アンティーカを率いるアイドルの女神」みたいな図が頭に浮かび続けている。

筋トレ

バーベルスクワット 60 * 7 * 1、90 * 10 * 1、90 * 8 * 2
レッグカール 55 * 10 * 1、60 * 10 * 2
レッグエクステンション 60 * 10 * 3
スクワットは潰れるのが怖くてなかなか高重量に手が出せない。いずれはミホノブルボンウマ娘)さんくらいのセットでやりたい(120kg * 10rep * 3)。