ワー

7/2

雑記

バンドと死

THE PINBALLSが活動休止に入り、tetoからメンバーが2人脱退した。前者は何度もライブに通ったし、思い出も深い分寂しい気持ちはある。とはいえ、思ったよりも落胆はしなかった。なぜだろうか?
おそらく、長らく既に解散したバンドや亡くなった人の曲ばかりを聴いてきたことが影響しているのだろう。中高生でハマったバンドといえばNUMBER GIRLフジファブリックNirvana……と王道ばかりだが、見事にみんな解散しているか中心人物が亡くなっていた。それに田舎住まいでライブなんてものには到底縁がなかったため、アーティスト本人を見る機会もない。その状況からすれば、ライブに行けることが、新曲が出ることが異常だったのだ。高校生のころはなんでトム・ヨークがまだ生きているのか不思議に思っていた覚えがある(ひどい話だ)。解散は悲しいこととはいえ、元々あるべきだったところに帰っただけ、そういう印象を未だに持ち続けている。

生き延びるために聴いてる音楽が自分で死んだ人のばかりだ 岡野大嗣

ムキムキ計画

七草にちかさんが「七草にちかムキムキ計画」なるものを立案しており、ハッとさせられた。ムキムキ計画、立てるべきでは?
確かに半年くらい前はベンチプレス100kgを目指して計画を立て、なかなかいいペースの伸びを記録していたように思うのだが、減量を始めてから漫然とトレーニングをやってしまっている気がする。でも減量中のトレーニングってどうやって目標立てるんだろう? 調べるところから始めたい。

よかったもの

tori-pun.com

鶏皮がめちゃめちゃ余っているので活用したい。

COLLAPSE - DELIRIUM POETRY

collapse-jp.bandcamp.com

埼玉のシューゲイザーバンド。メロディックかつ轟音、まさしく聴きたかった日本のシューゲイザーという感じでうれしい。

Молчат Дома - Этажи

domamolchat.bandcamp.com

ベラルーシニューウェーブ・ポストパンクバンド。先日記事を貼ったRussian Doomer Musicの代表格。しかし案外Doomer感は薄く、どことなく温かみがあるシンセやリズムマシンの音が心地良い。確かに散歩にはいいかもしれない。雨が止んだらなろうかな、Russian Doomerに……

7/1

雑記

減量

2月頃から減量を始めたが、イマイチうまいこといっていない。筋肉は落としたくないので炭水化物を減らして1日1800kcalに抑えているが、どうも減りが鈍い上に、ベンチプレスの重量はぐんぐん下がっている。どうしたものか。そろそろ有酸素とか入れるべきなのか?チートデイなんかをやるような体脂肪率ではないと思うし……
それにしても「減量」という字面はソリッドでいい。痩せる、とか細くなる、とかそういう曖昧な態度を一切排除して、「量が減る」という厳然たる事実だけを述べている。それでこそこちらも身が入るというものだ。この行為の名称がもし「シュッと化」とかだったら一切やる気が出ないと思う。ただ淡々と量を減らしたり増やしたりするのが一番イメージしやすい。

よかったもの

friday.kodansha.co.jp

スキマサウンド

sukimasound.com

バーグハンバーグバーグの音素材組み合わせサイト。ただひとつひとつの音を流しているだけでも面白い。「尻にロケット花火を食らいまくっている男」と「全部勘でやってる落語」が好き。後者のカセットっぽさがなんだか心地いい。

少女☆歌劇 レヴュースタァライト-The LIVE- ♯1

www.youtube.com

週末までの間、期間限定で無料公開されている。
やっぱり声や動作の肉体的な緊張感は実際に人体を見ないと味わえない。主役二人と天堂真矢役の方の演技がよかった。アサルトリリィ見たときも思ったけど、(2.5次元)ミュージカルの忙しなさはあんまり合わないな……

『今日はまだフツーになれない』

comic.pixiv.net

pixivコミックで読み始めたけど良すぎて結局買ってしまった。
3話まではなるほどねと思いながらページをめくっていたものの、12話で食らってしまい即Kindleでポチることに。正しく関係性の話であり、人生の話である。人生を射程に入れない関係性話は全部fake。そうかな? そうだろうがよ。
最終話もめちゃくちゃいい。こういうやり口に一生弱いぜ……

筋トレ

サイドレイズ 7 * 15 * 3
ダンベルオーバーヘッドプレス 7 * 10 * 3
ハンマーカール 7 * 15 * 3
雨だし残業したしでジムに行く気力が出なかったので家トレ。
重量を入れ替えるのが面倒で全然追い込めない。ジムにいる時より疲れやすい気もする。
やっぱジム行かないとダメだな……

6/30

雑記

風物死

「地元の人」側だったのだが、確かに毎年人が死ぬ川って異常だよなと言われて初めて気付いた。「たまらんよな」と慮られてはいるが、一切気に病んだことはなかった……というか、不謹慎な話だが、言ってみればBBQ客の溺死は夏の風物詩だった。
夏休みに入って実家でぼんやりとしている昼間、どこからともなく旋回するヘリの音が聞こえてくると「ああ、夏だなあ」と思ったものだった。ヘリは1日で捜索を終えるときもあれば、数日間居座ることもある。そして夕方のニュースで、ここより下流のどこかの町から来た青年たちが流されたことを知るのだ。「昼のヘリか」「多分」「ああ映ったわ、やっぱそうや」「金華橋あたりで見つかったんやって」「ええ、随分流されたんやなあ」夕飯を食べながらそんな話をしたら、それでもう終わりである。次の日にはまた別の集団が川原でバーベキューをしている。
川は確かに危険だったが、しかし生活に与える影響は大きかった。通学時には川を渡ったし、友達の家に行くにも川のそばを通った。大雨が降ると度々避難する羽目にもなったが、それが良いとか悪いとかそういう判断とは別個のものとして、川は常に暮らしの側にあった。実家を出てからも、結局川や山の側に住んでいないと落ち着かない。自分としては、川で人が死ぬことよりも、一切自然に呑まれる危険のない街にいるほうが「たまらん」らしい。

よかったもの

note.com

この人の書く回顧記事は毎回おもしろい。レースそのものよりもそこに付与される文脈と語り方こそが競馬の魅力だと再確認させられる。

note.com

かなりありがたいまとめ。雨の中聴いてると気が滅入りそうになるけど、ぽつぽつ聴いていきたい。

LITTLE TEMPO - 山と海

youtu.be

トロピカルダブの傑作らしい。ついにサブスク解禁だとか。TLに流れてきたので聴いた。
レゲエなのだがどこか懐かしく、確かに日本のバンドという感じがする。評する言葉があまりないがかなりいい。朴訥なジャケットも好き。

www.sapporo-posse.com

力作。シャニマス垢でRTするのはどうかと思いためらってしまったが、かなりオススメです。

さっきも言いましたが、「陰謀論は魅力的なものである」というのが僕の基本的な認識というか、前提です(だから厄介だとも思います)。で、だからこそこちらもそれに対抗しうるだけの「面白さ」を持ったコンテンツでなければ……とか思ってました。もっと言うと、「予言」という言説を信じてしまいそうな、前提となる知識を持たない何も知らないな人にこそ(繰り返しになりますが、何も知らないことを責めてはいません)、「面白さ」が作用しなくてはいけないのではないか……とかなんとか、そんなことを思っておりまして。それと、検索アルゴリズムという血も涙も倫理もない外道に対抗していくには、やっぱり「面白さ」を以てある程度の規模のアピールをしないといけないし、とか。SNSで、その意図を汲んでくれた感想をいくつかいただきまして、大変嬉しかったです。自分ではまあまあ上手く組み立てられたと思うんですが、どうでしょうね。

6/29

雑記

バンドTシャツ

マジで全然自信がない。会場で買ったものはともかく、普通の服屋で買ったSonic Youthや、友達に送ってもらったJoy DivisionのTシャツなんかはもう全然ダメそうだ。
服を着るのにモチーフへの愛着など必要ない、ということはわかっているのだが、個人的にはバンドTシャツは服ではなく、オタクグッズに分類される。つまり攻撃表示のカードなのである。そのアイテムを識別できる相手と会った際に、「オッw お主それはまさかw」と話のきっかけを作るために切った手札なのだ。それが自分で分からないようではあまりにも情けない。バンドTシャツは普段外で着るものじゃないだろ、というツッコミはこの際無しとする。
基本全てが受け身なので「アイテムで突っ込んでもらおう」という思考をすることは多くあり、冬の間は【雨に祝福】三峰結華さんのものと似た配色のバルトロのパチモンみたいなダウンジャケットをよく着ていたが、一切ツッコまれなかったので最終的には自分から言った。即座に「キモいな~」と返された。サムズアップしようかどうか迷ったが、やめておいた。キモいオタクは、三峰結華さんじゃないから……(ストーリー・ストーリー)

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健気な笑顔(オタクだがキモくはない)

よかったもの

かっけえ~~

www3.nhk.or.jp

note.com

kasasora.hatenablog.com

創作百合増田が……好き!!!という気持ちを久々に思い出せた。最高。

anond.hatelabo.jp

実践するかどうかは別として胡散臭い匿名のライフハック系記事を読むのが好き。なんだけど、これはどういう機序なんだろう? 自分の社会性に自信がなさすぎるので、匿名の大衆の意見を「常識」として参照したいのだろうか。まだ匿名掲示板マインドが抜けていないのか……

斜線堂有紀 - 健康で文化的な最低限度の恋愛

note.com

新作短編。めちゃめちゃよかった……昨日「愛のために自分が変わる覚悟ってすげえよな(意訳)」みたいなことを雑記に書いたが、まっすぐそういう話が来た。世界からの忖度か?
ファスト映画や倍速視聴のニュースが着想元なのだろうか。斜線堂先生は軽い文体ながら鬼気迫る執念を書いてくれるのが本当によい。何かが致命的に壊れていることを知りながらも叫びながら走っていく人間の姿が美しくないはずがない。

力強い。

RUBYSTAS - LOVE & HATE

www.youtube.com

AKROGLAMというプロジェクトの新曲らしい。TLに流れてきたので聴いた。
曲はかなり好みだけど、ストーリーを追う気力は……

6/28

雑記

初音ミクになる

初谷むいという歌人の短歌が好きで、ハンドルネームもその歌集から取っている。表紙のタイトルを縦読みして、「花初そたい」である。実際は好きだからわざわざそこから取ったというより、たまたま机の上にあって目に入ったからだったのだが、ふと見たら机の上にあるということの意味は大きいだろう。

www.amazon.co.jp

初谷むいの短歌にはとにかく相聞歌が多い。それもずっと恋愛絶頂期の輝きをたたえており、ちょっと引いてしまうほどの猛進っぷりを誇っている相聞歌だ。

どこででも生きてはゆける地域のゴミ袋を買えば愛してるスペシャ
イルカがとぶイルカがおちる何も言ってないのにきみが「ん?」と振り向く

『はつなつみずうみ分光器』を読んでへえと思ったのは、初谷むいの比喩に対する指摘だった。

歌人は対象を歌うときに、しばしば比喩を使って相手のことを変身させる。(中略)初谷むいはその方法論を選択せず、つまり相手を変容させるのではなく、自分のかたちを変容させることで対象と、対象との間にあるものを歌うことを選んだ。愛のために相手を変えるのではなく、愛のために「あたし」が変わるのだ。

自身の変容は、以下のような歌によく現れている。

あたし死んだら文字になる困ったらあたしのかわりに言葉がゆくよ。
もういいよわたしが初音ミクでした睫毛で雪が水滴になる

後者は積極的な変容というよりは押し付けられたものを渋々、という感じなのだが、好きな一首。初音ミクという存在を押し付けられるというのはどういう状況なんだろう? きっと、名前か見た目か何かで初音ミクになぞらえられていじられたのだろう。そういうちょっとしたいさかいが一瞬で思い浮かぶ鮮やかさ、その原因が「初音ミク」というおかしさ、それでも「わたしが初音ミクでした」と言ってしまういじらしさ……そういうストレートな息遣いが感じられるのがこの歌人の好きなところだ。

初谷むいは小説も書いているが、そちらもかなり全力で恋愛に浸っていて好き。

monogatary.com

柿田と話していると、すべてを手に入れたような気になった。その声が、小さな頭の中に含まれる脳が考えた言葉があたしに向かう、その瞬間のために、あたしの生命エネルギーはひかりかがやいていた。

こんなん普通書かれへんよ。

よかったもの

Car Seat Headrest - Teens of Denial

youtu.be

良いことがわかりきっていたので逆に聴いていなかったが(?)、聴いてみたら予想通り、予想以上によかった。こういうの、こういうのなんだよな……

月岡恋鐘Landing Point

メンタルが強すぎる……恋鐘さんが「だってアイドルだから」の一点で全てを突破できるのは、信じることができるからなのだろう。「こうすれば絶対に良くなる」という強固な信念が恋鐘さんを、そしてアンティーカを引っ張っていく。他のメンバーに言われれば素直に軌道修正するが、着想から走り出すまでのスパンは誰よりも短い。あれこれ悩んで自家撞着に陥りがちなアンティーカのなかで、恋鐘さんの爆発力は最も輝くのだろう。
今回は彼女の努力が「月の裏側」になぞらえられたが、正直彼女の努力を見てきた気がしない。できないことをできるようにする過程が努力と言われるものだと思うが、彼女のシナリオでは「そ、それもできてしまうのか……」と終始圧倒されていることが多い気がする。プレイヤーでなく「シャニP」が月の裏側をわかっていればそれでいいっちゃそれでいいんだが……今のところぼくの頭の中には「アンティーカを率いるアイドルの女神」みたいな図が頭に浮かび続けている。

筋トレ

バーベルスクワット 60 * 7 * 1、90 * 10 * 1、90 * 8 * 2
レッグカール 55 * 10 * 1、60 * 10 * 2
レッグエクステンション 60 * 10 * 3
スクワットは潰れるのが怖くてなかなか高重量に手が出せない。いずれはミホノブルボンウマ娘)さんくらいのセットでやりたい(120kg * 10rep * 3)。

6/27

雑記

宝塚記念

三連複と三連単に突っ込んだが、ユニコーンライオンを外していたため撃沈。これだけ終盤がハイペースになるとは思わなかったし、その中でユニコーンライオンにレイパパレを差し返す脚があるとは思いもしなかった。完敗である。
今回はクロノジェネシス軸で臨んだが、その読みは当たっていた。直線まで前方に位置取り、最後の最後にブチ抜く王道かつ強者の競馬! やっぱり強者が真っ当に実力を見せつけて完勝する展開が好きだ。強くあるべき者が誰にも触れられない高みにいる様子を見ると惚れ惚れしてしまう。
まあカレンブーケドールやキセキが勝っていたとしてもそれはそれで惚れ惚れしてたと思うけど。寺山修司が言うように、「八頭のサラブレッドが出走するならば、そこには少なくとも八編の叙事詩が内包されている」のだ。別に読むべき叙事詩を絞る必要はない。

よかったもの

小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』

読み終わった。やっぱりセリフ回しがキツい……ものの、ラストの怒涛の展開で一気にブチ上がってしまった。熱血モノの最高潮に持ってこられる恋愛シーンは最高。
あえてジェンダー不平等の取り扱いに焦点を絞ると、「雇用機会の不平等に対して実力を見せつけることで抵抗する」というやり方はちょっと筋が悪い。第二波フェミニズムにおいて、雇用機会の獲得の末に女性を待っていたのは、インテリ白人女性とその他の分断だった。インテリ白人女性はただちに高収入を得ることができたが、例えば黒人女性はそもそも満足に教育を受けることができないため働き口がない。そして働けたとしても低賃金・長時間労働と家での無償労働の二重労働に苦しめられる……その上、味方であったはずの白人女性たちは「良い仕事を獲得できないのは自己責任」と言い出したのだった。本書でいえば、高等教育を受けたテラと規格外の飛行時間を持つダイオードはかなり特権的な立場であり、彼女らの勝利は構造の改革にはつながらないだろう。もちろん彼女たちは活動家ではないし、終盤にもあるように自分たちがなんとかなれば他は知ったこっちゃないという立場なので、これは本書の批判にはあたらない。

くるり - 天才の愛

youtu.be

めっちゃくちゃよかった!!!歌詞も音もねじくれたストレンジポップから入ったと思えば、上の動画のように歌謡曲的なメロディを持つ直球勝負の曲を仕掛けてきたりする。後半にはお得意の60~70年代的インストロックナンバーがあったり女性ボーカルの収まりの良いポップがあったり、とにかく多彩ではあるのだけど、それでいて特有の叙情が貫かれていてアルバムとしてのまとまりがいい。これは名盤でしょう……!

三峰結華Landing Point

ひたすらPが三峰さんの自分でも意識しない無理を捉え、ケアしていくシナリオだった。これが初期に入っていたらフーンという感じだったのだろうが、ソロ活動の着地点という文脈でこういった話が出てくることはありがたい。積み重ねてきたものがあってのこの距離感なのだ。もう三峰さんが動点Pとの距離を求める必要はない。
TwitterではPが「理解のある彼くん」と言われていて笑ってしまった。いやあんまり良くない語彙なのだが。しかし【それなら目をつぶりましょう】とかの頃は一歩間違えたら即シャッターが下りる緊張感があった分、そのゾーンを踏み越えたことを描くのならもうPはプレイヤーの想像を超えた察しの良さを示すしかない気がする。いつまでも理解の権化でいられても俗悪な消費者であるプレイヤーは飽きてしまうので、そのうち何らかの問題が設定されるのではないかと思うが、果たしてそれは何になるんだろう。今から次のカードが楽しみだ。

筋トレ

ベンチプレス 50 * 10 * 1、80 * 5 * 1、80 * 3 * 2
マシンフライ 55 * 10 * 4
ディップス 補助26 * 10 * 3

ベンチプレス苦手部。
減量開始前は80kg5回なんてウォーミングアップだったのに、今ではやっとだ。ここまで落ちるとは……
ベンチプレスが一番挙がってたときは週2~3でやっていたので、結局丁寧に準備運動しつつ何回もやって慣れるのが一番大事なんだろう。気合だけじゃなく面倒なことを毎回きっちりやる努力が必要だ。福丸小糸さんとか得意そう。
「へ~!? シャフトだけで2時間~!?」
「ふふっ すごいね、児玉大紀だ」
「偉いね、小糸」
「そ、そんなこと……! みんなの方が、重量だって扱えるし、ブリッジも高くて……」
まあ僕の場合はそんなに頭でっかちにならなくても、シンプルに増量してガムシャラに重量追ったらまだ伸びるんだろうけど。

6/26

雑記

メガネ

新しいメガネを買った。今のメガネは買ってから5年が経過しても未だ見た目通りの堅牢さを維持してくれており、見え方にも特に不満はなかったのだが、見た目があまり気に入らなくなってきたので買い換えることにした。複数本を使い分けてもいいのだが、まあ多分新しいメガネを入手したら今のはどうでもよくなるだろう。未だに「メガネは壊れるまで使うもの」という幼少のころの観念を固持しているので、買い換えにあたっては誰に宛てるでもない罪悪感を抱いてしまう。が、コンタクトレンズも持っていない人間の、一本しか持っていない眼鏡が壊れるということは、入手までの間しばらくは生活が困難になるという危険を伴う、いわばタイマー式の爆弾を持ち歩いているようなものなので、壊れないうちにもう一本入手しておくのは合理的な行動ではないだろうか。そう思うことで自分を納得させている。
ちょっと気合を入れて高級な眼鏡店に行ったのだが、かなり内装に気が遣われていて驚いた。どんなジャンルでも高級店は、購入そのものを価値ある体験にしようと努力しているように感じられる。しかし眼鏡店の場合、試着や検眼など多くの時間は眼鏡を外すことになるので、手の込んだ内装もサービスもうすぼんやりとしか把握できない。なんとなくリッチそうな間接照明の中、なんとなくリッチそうな店員から話を聞いて帰宅することになった。実物は来週末引き取れるようになるらしい。
買った眼鏡は、舐達麻のDELTA9KIDと同じモデルだった。手にするまでは全然意識していなかったのだが、見かけた途端「あ、これDELTA9KIDのやつじゃん!」とテンションが上がったことは否定できない。顔がオタクなのでDELTA9KIDのようなイカツさは出ないが、少なくとも眼鏡を買うだけでオドオドと自分に言い訳しなければならないような繊細さはなくしたいものである。たかだかタイマー。ガタガタ抜かすな。

よかったもの

映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

まず劇場でΞとペーネロペーの戦闘が見られるというだけで感無量だ。かつては映像化もキット化も不可能だと言われていた複雑なデザインの二機だが、今では劇場アニメにもなっているしプラモデルにもなっている。技術の進歩もすごいし、企画を実現させる判断もすごい。
よくTwitterで話題になっている部分ではあるが、やはり市街戦がよかった。町中で暴れまわる10m超の機体から生身で逃げることは、ロボットアニメの主人公目線で見るよりずっと恐ろしいことだ。ちょっと触れただけで崩れる家々、バーニアの熱で焼ける木々、流れ弾で溶ける鉄……パイロット目線では気付けない脅威がそこにはある。
原作を読んだのは中学生の頃なので全然覚えてないが、ハサウェイってこんなにシュン……としてたっけ? エゲツないことやってても身内には甘くて弱みも見せちゃう指導者がウケるってのはどこも一緒よね……

小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』

半分くらい読んだ。思ったよりもジェンダーSFをやっているというか、ジェンダー不平等の問題を扱っていて驚いた。内面化されていた不平等を気付かせ、ケアするシーンがあったりするのはかなりうれしい。しかし筆致は良くも悪くもライトノベル的で、少々いたたまれなさがあったりもする。
「主人公側が攻撃的かつ一方的にまくしたてて、相手側はそれにタジタジ」というような類型がキツく思えてしまうのは、論理だけでは通らない相互理解の難しさを無視しているように思えるからだろうか。いくら科学的な裏付けがあり、理が通っている説得を行ったとしても、それが納得と転向につながらないのはQアノンや地球平面説の隆盛を見ていても明らかだろう。論理の押しつけはさらなる溝を生むだけだ。むしろそういったストーリーに飛びつかざるを得なくなった背景に思いを致し、相手へのメリットを提示するべきではないのか……
とはいえ、抑圧された者たちの代弁者として怒りの声を上げることは支持に繋がるだろうし(まくしたて系フィクションが支持されるのはまさにこういう点からだろう)、怒らずに済むのは実際に抑圧されていない者の特権だと言われればそれもそうだろう。結局のところ、僕も閃ハサの運転手が言うように「暇なだけ」であることが負い目になっている。シュン……

Hiatus Kaiyote - Mood Valiant

youtu.be

メルボルンジャズシーンの代表格、久々のフルアルバム。飲酒してクネクネしながら聴いたので詳細はぼやけているが、前作のようなパキパキした表情の変化は少なくなりよりリラックスして聴ける印象。