ワー

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雑記

コント

omocoro.jp

昨日も触れたが、上の記事で紹介されていた下のコントがめちゃくちゃよかった。 youtu.be 以下は野暮な感想なのでまずは動画を見てほしいのだが、これは社会の病理……に見せかけた人間の価値判断の話、もっと言うと「笑い」とは何か、現代社会においてどういう意味を持つか、という話でもある。笑いについての話が笑いをもって描かれているのだ。この鼻につかないメタ構造はちょっと感動的だ。
これは2017年のコントなのでそこまで予測していたわけではないだろうが、「ひょうきんな引きこもり」である息子は、いま価値を認められず、十分な補償も得られていない”お笑い”そのものの状況も思わせる。確かに生産性は低いかもしれない、直接生きていくために必要な物資を生み出すわけではない、それでも本当に”笑い”を切り捨ててしまってもよいのだろうか? 今となっては、そういったことも考えさせられるコントだと思う。

こうしたコントを見て、さてぼく自身はどういうネタ動画が好きだろう……と振り返ってみると、そういえば自分は全然お笑いを見てこなかったなということに気づく。
正月のネタ番組とか、いい時間帯にやっていた「エンタの神様」とか、そういった程度のものは見ていた。けれど、芸人を追っかけたりとか、ネタ動画を漁ったりとか、M-1の参加者のネタを見まくったりとか、そういう自発的な受け取り方は全くしてこなかった気がする。おかげで、大学に入ったときに話がわからず何回も気まずい思いをした(関西には本当にお笑いに一家言ある人が多いのだ、ということをこのとき初めて知った)。
当時は所属していたコミュニティのせいなのか、とにかく「東京の笑い」に対する風当たりが強くて驚いた覚えがある。お笑いといったら漫才で、コントなんてものは邪道、リズムネタなんてもってのほか、という論調がぼくの周囲では強く、なぜか笑い飯がとにかく持ち上げられまくっていたような覚えがある。そんな区別は一切考慮になかったぼくは「はあ……」としか言いようがなかったが、あの感じは関西においては普遍的なものなのだろうか。そんな環境で4年間を過ごした後でも、未だに形式の違いにはあまり関心が持てない。
そんなわけであまりお笑いに明るくないのですが、「何度も見返しているネタ動画」と言われて真っ先に思いついたのはこれだった(なんで?)。

youtu.be

特に最後の野沢ダイブ禁止は何回見ても爆笑してしまう。膝からいくのはマジで天才のそれだ。一時は動画が消されてしまって悲しんだものだが、一ヶ月前に再アップされたことで、ふたたび何度でも見返すことができるようになった。
あとはサツマカワRPG街裏ぴんくも何度も観ているのだが、前者は特に緑○が好きだと言っていたのでここでは挙げなかった。○仙は全然嫌いではないのだが、緑○と同じものを好きだと言ったらなんかこう……負けた気がする。わかりませんか? こういう自意識……

よかったもの

bunshun.jp

THA BLUE HERB - THA BLUE HERB

フジロックを見て聴き直したくなったので。Disk1と「LOSER AND STILL CHAMPION」だけ聴いた。
めちゃくちゃいいんだけど、やっぱりライブのあの熱量を見てしまうと音源はちょっと物足りない。BOSSはアルバム当時47歳、今49歳である。まさに「俺を乗り越えていくのは俺だけ」「一番いいのはまだ来てない」!
「LOSER AND STILL CHAMPION」はシンプルに好きなので聴き直した。ライブでこれが流れるとつい涙ぐんでしまうのだが(ライブも24時間生で短期集中履修しただけだが)、やはり音源だともう一つ……という気持ち。しかし最後のこれまでの歩みを連ねていくバースはグッと来る。これについてはインタビューも良かった。

lp.p.pia.jp

セルフボースティングとしては、自分たちがやってきたこと以上に説得力を持つことはないですね。しかもそれはすべて事実で、音源としても歴史としても完璧に残っているものなので。今の若いラッパーに「お前ら何もわかってねえ」なんてことを言ってしまったら、一番ナンセンスなんだけど、では、どうやって説得力を出すかというと「俺はこういうことをやってきました、こういうことを残してきました。それで俺はここに立っています、こういう風に思います」というのを示すことが重要だと思います。

まさに。いつかは札幌でライブを見てみたい。